経営管理ビザとは

この記事は行政書士西田直之が作成しました。

経営管理ビザとは「日本で貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動」を行うための在留資格です。

少しわかりにくいので、シンプルに言いますと「事業の経営」や、経営だけでなく「事業所の管理職」に従事するためのビザです。

これだけではイメージが湧きにくいとおもいますので、さらに詳しく解説します。

目次

経営管理ビザで行うことができる活動

経営管理ビザでは次のような活動を行うことができます。

  • 日本で起業し経営をする、もしくは管理職に従事する活動
  • 既存の企業に参画して経営をする、もしくは管理職に従事する活動
  • 事業譲渡を受けて経営をする、もしくは管理職に従事する活動

飲食店を例に①~③の具体例を挙げてみます。

  • 新たに会社を設立し、飲食店を経営する。または新たに設立された会社の管理職(部長クラス)に従事する
  • 既存の企業が海外から代表取締役として招へいする。または管理職として招へいする
  • 既存の飲食店を買い取って経営者となる、または管理職として従事する

経営管理ビザの取得方法とは

経営管理ビザの取得は外国人が海外から新規に入国する場合と、中長期ビザを有して既に日本に滞在している場合とで手続きの種類が異なります。

中長期ビザを有して既に日本に滞在している場合

就労ビザ等の中長期滞在可能なビザを有して日本に在留する外国人が経営管理ビザを取得する際には出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請を行います。また、経営管理ビザへの在留資格変更許可を申請するまでに事業所を確保(会社を設立する場合は会社設立登記も必要)し、必要な許認可取得を完了させておくことを要します。

海外から新規に入国する場合

外国人が海外から新規に入国する場合は、出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請を行います。上記在留資格変更許可申請と同じく先に事業所の確保や許認可取得を要しますので、海外にいる外国人にとって手続きのハードルが上がります。

海外にいる外国人がスムーズに経営管理ビザを取得する方法

  • 日本在住の知り合いに協力してもらう
  • 4ヶ月の経営管理ビザを取得する

日本在住の知り合いに協力してもらう

海外にいる外国人にとって事業所の契約や、銀行口座の開設はとても難しくなります。そこで日本在住の知り合いに銀行口座開設や事業所の契約を行ってもらうことで、経営管理ビザへの在留資格変更までを完結させることができます。

協力者について詳細は下記記事をご覧ください。

4ヶ月の経営管理ビザを取得する

海外にいる外国人にとって協力者がいない場合の経営管理ビザ取得はハードルが高いですが、4ヶ月の経営管理ビザを取得すると会社設立前に来日する事が可能となります。

4ヶ月の経営管理ビザについて詳細は下記記事をご覧ください。

経営管理ビザの申請をするまでに準備すること

経営管理ビザの申請は他の就労ビザと比べて、難易度が高いと言われています。その理由は、先に準備しておく事が多く有り、その準備に少なくない費用や時間を要します。

  • 銀行口座の開設
  • 事務所の契約
  • 会社設立登記
  • 各種許認可・届出
会社の設立は必須??

経営管理ビザに会社設立は必須ではありません。しかし、会社を設立することで3000万円の事業規模を証明することが容易になるというメリットがあります。

経営管理ビザにおける3000万円とは

かつては「日本の経営・管理ビザは500万円で・・・」と言われてきましたが2025年10月16日に経営管理ビザの基準が改正され資本金・出資金の要件が3000万円に引き上げられました。

申請に係る事業の用に供される財産の総額(資本金の額及び出資の総額を含む。)が三千万円以上であること。

常勤職員の雇用が必要

以前は500万円以上の出資をしていれば職員を雇用しなくても経営管理ビザの許可をもらえていましたが2025年10月16日の改正後は常勤職員1人の雇用が必須となりました。

その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する常勤の職員(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるものであること。

常勤の職員は日本人もしくは外国人である場合は「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」「特別永住者」であることを要します。

日本語能力を要します

以前は経営管理ビザの取得に日本語能力は求められませんでしたが2025年10月16日の改正後は申請人又は常勤職員に相当程度の日本語能力が求められるようになりました。

申請に係る事業の経営を行い、又は当該事業に従事する者(非常勤の者を除く。)のうちいずれかの者が、高度に自立して日本語を理解し、使用することができる水準以上の能力を有している者であって、かつ、申請人が当該事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する時において、本邦に居住することとしているものであること。

必ずしも申請人に日本語能力が備わっていることまでは求められず、常勤職員のうちの1人に日本語能力が備わっていれば良いとされています。ここでいう常勤職員は上記で解説した常勤職員とは違って、在留資格が限定されていません。

相当程度の日本語能力とは
「日本語教育の参照枠」におけるB2相当以上の日本語能力であり、具体的には以下のいずれかに該当することを要します。

  • 日本語能力試験(JLPT)N2以上の認定を受けていること
  • BJTビジネス日本語能力テストにおいて400点以上取得していること
  • 中長期在留者として20年以上我が国に在留していること
  • 日本の大学等高等教育機関を卒業していること
  • 日本の義務教育を修了し高等学校を卒業していること

また日本人や特別永住者を常勤雇用することによっても日本語要件をクリアします。

経営管理ビザが許可される事務所の条件とは

申請に係る事業を営むための事業所が本邦に存在すること。ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、当該事業を営むための事業所として使用する施設が本邦に確保されていること。

経営管理ビザの許可には事業所の選定や契約方法についても気を付けるべきことがたくさんあります。

実務経験もしくは学歴が必要

以前は経営管理ビザの取得に実務経験や学歴は求められませんでしたが2025年10月16日の改正後は実務経験又は学歴要件が加わりました。

次のいずれかに該当していること
イ 経営管理に関する分野又は申請に係る事業の業務に必要な技術又は知識に係る分野において博士の学位、修士の学位又は専門職学位(学位規則(昭和二十八年文部省令第九号)第五条の二に規定する専門職学位をいい、外国において授与されたこれに相当する学位を含む。)を有していること。

ロ 事業の経営又は管理について三年以上の経験(特定活動の在留資格(法第七条第一項第二号の告示で定める活動のうち本邦において貿易その他の事業の経営を開始するために必要な事業所の確保その他の準備行為を行う活動を含む活動を指定されたものに限る。)をもって本邦に在留していた期間がある場合には、当該期間を含む。)を有していること。

経営管理ビザで家族も一緒に日本で暮らせますか

経営管理ビザで活動する外国人は「家族滞在ビザ」で家族を帯同することができます。

経営管理ビザのQ&A

借りたお金を資金にすることができますか?

金融機関から融資や、親族から借りた場合であっても資金として認められます。

自宅兼事務所とすることは可能ですか?

原則認められません。

以前は自宅兼事務所であっても自宅部分と事務所部分が明確に区切られている場合は許可されていましたが2025年10月16日の改正後は原則自宅兼事務所は認められなくなりました。

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