【経営管理ビザ】外国人が会社を設立する流れ
この記事は行政書士西田直之が作成しました。
経営管理ビザ取得のための株式会社設立の流れ
外国人が日本で会社を設立し、経営管理ビザを取得する場合には経営管理ビザの申請を行うまでに会社の設立を完了しておくことを要します。
株式会社設立から経営管理ビザの申請をするまでの流れ。
- 公証人役場で定款を認証する
- 資本金を振り込む
- 法務局で会社設立登記をする
- 各種許認可の取得・届出の提出
- 経営管理ビザの申請
定款を認証する前に準備すること
株式会社の設立をするためには公証人役場で定款の認証を要しますが、それまでに準備をしておくことがいくつかあります。
- 銀行口座の用意
- 定款案の作成
- 事業所の契約
- 会社の印鑑を作成
銀行口座の用意
会社設立登記をするまでに資本金を銀行口座に振込まなければいけません。したがって事前に銀行口座の準備が必要になります。
中長期在留資格を有さない外国人にとって銀行口座を用意することは非常に難しく、短期滞在(観光ビザ等)で来日中の外国人が銀行口座を新たに開設することはできません。
そのような場合は日本の知り合いにお願いし、銀行口座に振り込ませてもらうことで対処可能です。
定款案の作成
定款とは会社の基本的なルールをまとめた書類です。定款は会社にとって重要な書類であるため、株式会社設立の場合には公証人役場で定款認証を受ける事を要します。経営管理ビザを取る際には定款の内容や会社の登記内容についても審査がありますので経営管理ビザの条件に即した定款を作成しなければいけません。
事業所の契約
会社設立登記をする際の登記事項の一つに本店所在地があります。したがって事業所(本店)の契約を会社設立登記までに完了しておくことを要します。
外国人にとって事務所の契約が難しい場合があります。日本語が話せないことで契約を断られることも少なくありません。
また事業所を契約する際に多くの場合保証人を求められます。外国人が事業所の賃貸契約をする際に保証人を見つけられないということも少なくありません。どうしても保証人を見つけることが出来ない場合には保証会社を利用したり、保証人が不要の物件を探したりして対応します。
会社の印鑑を作成
一般的に会社設立登記の際に印鑑届を提出し、会社の代表者印(会社実印)を登録します。ですので会社設立登記までに印鑑の作成を要します。
①公証人役場で定款を認証する
定款認証は本店所在地を管轄する公証役場で行います。例えば本店所在地が大阪府内であれば大阪府内のすべての公証役場で認証が可能です。
作成した定款は認証を受ける前に事前に不備が無いかどうかをFAXやメールで公証人にチェックしてもらいます。
チェックが済んだら認証日の予約をし、下記書類を用意して公証役場で認証を受けます。
- 定款3通
- 収入印紙 4万円(電子定款の場合は不要です)
- 印鑑登録証明書
- 発起人の実印
- 実質的支配者となるべき者の申告書
- 委任状(行政書士等の代理人が手続きに赴く場合)
- 認証手数料(資本金500万円の場合5万円)
- 定款謄本交付手数料(2000円前後)
※電子認証の場合の書類は上記と異なります。
②資本金を振り込む
定款認証後、銀行口座に資本金を振り込みます。
振込完了後に「払込みがあったことを証する書面」を作成します。
③法務局で会社設立登記をする
会社設立登記に必要な資料
- 登記申請書
- 登記すべき事項
- 定款
- 払込みがあったことを証する書面
- 就任承諾書
- 印鑑登録証明書もしくはサイン証明書
- 収入印紙(登録免許税)
- 印鑑届出書
外国人氏名の表記方法
外国人の会社設立登記で注意が必要になるのが外国人氏名の表記方法です。氏名はアルファベットで登記する事ができず、氏名をカタカナ等の日本語表記に変換して登記する必要があります。
アルファベットの氏名をカタカナ等の日本語表記に変換する際のルールは特に定められていません。ですのでどのように表記すればよいのか迷われるのではないでしょうか。具体的には以下のように対処します。
- 印鑑証明書や住民票等の公的な書類記載のカタカナ表記通りにする
- 印鑑証明書や住民票等にカタカナ表記が無い場合は株主総会議事録や就任承諾書にローマ字とカタカナの氏名を併記する
※法務局によって取扱いが異なる場合がありますので事前確認が必要です。
④各種許認可の取得・届出の提出
事業が許認可取得を要する内容である場合には出入国在留管理局へ申請する前に許認可を取得しておくことを要します。また、会社設立後に必要となる税務署等への届出も必要となります。
⑤経営管理ビザの申請
経営管理ビザは出入国在留管理局へ申請手続きを要しますが、外国人が海外に居る場合と日本に居る場合では手続きの種類が異なります。
外国人が海外にいる場合 | 外国人が既に国内にいる場合 |
①在留資格変更許可申請 | ①在留資格認定証明書交付申請 |
②在外公館で査証発給申請 | |
③入国 |