【経営管理ビザ】事務所の条件

この記事は行政書士西田直之が作成しました。

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経営管理ビザの事務所条件

経営管理ビザには事務所(事業所)についての基準が定められています。

  • 事業を営むための事業所として使用する施設が本邦に確保されていること
  • 事業を営むための事業所が本邦に存在すること

このように規定されていますが、出入国在留管理局の審査での判断基準は以下のようになっています。

賃貸借契約の使用目的

経営管理ビザを取得する際の事務所については賃貸物件を契約することが多いですが、その賃貸借契約の使用目的は「住居」ではなく、「事業用」・「店舗」・「事務所」等の事業目的であることを要します。

契約名義

事務所は法人名義で契約することを要します。会社設立前に事務所の契約を要する場合には、先に個人名義で契約し、会社設立後に法人名義に変更する旨を大家さんと調整しておくことを要します。

契約期間

月単位(マンスリー)での契約では事業の継続性が認められません。少なくとも1年以上で契約することを要します。

オフィスの形態

経営管理ビザの許可をもらうためには使用するオフィスの形態にも注意が必要です。

キッチンカー・屋台

容易に処分が可能なキッチンカーや屋台は継続して事業が運営されるとは認められないため使用することはできません。

バーチャルオフィス

バーチャルオフィスとは物理的なオフィスは存在せず、住所や電話番号を使用することができるサービスです。また、バーチャルオフィスの住所で会社の登記をすることができますが、経営管理ビザの観点からはバーチャルオフィスは使用することができません。

レンタルオフィス

レンタルオフィスは使用することができます。ただし、気を付けるべき点もいくつかあります。ひとつのフロアに複数の事業所が入居しているような場合には、玄関や事務所の通路は共用でも問題ありませんが他の事業所と壁により明確に区切られており、他の事業所の区画内を通らずに事務所に入ることができる構造であることを要します。

コワーキングスペースのような形態は許可をもらうことができません。

壁の上部と天井に隙間がある場合

レンタルオフィスであっても壁の上部と天井の間が開口(欄間)している物件もあります。

この場合は壁が簡単に取り外しが可能なパーテションであることも多く、注意が必要です。

ただし天井と壁の上部が開口していることのみをもって許可がもらえないということではなく、他の区画とは独立していると認められることができれば許可の可能性はあります。

インキュベーションオフィス

インキュベーションオフィスとは起業や事業拡大を支援する目的で設置されたオフィスです。公的機関が運営しています。申請人から当該事業所に係る使用承諾書等の提出があったときは、(独)日本貿易振興機構(JETRO)対日投資ビジネスサポートセンター(IBSC)その他インキュベーションオフィス等の一時的な住所又は事業所であって、起業支援を目的に一時的に事業用オフィスとして貸与されているものの確保をもって、上陸基準省令にある「事業所の確保(存在)」の要件に適合しているものとして取り扱われます。

自宅兼事務所

自宅の一部を事務所として使用することでコストを抑えることができますが、条件が厳しくなります。マンションでは許可をもらうことが難しく、一戸建てであることを要します。また、居宅部分と事務所部分が明確に区別されていることを要し、1階が事務所、2階が居宅のように階層で区別されていることが必要です。

事業所としての実体を有すること

オフィスを有するだけでは事業の実体を有するとは認められず、パソコンやコピー機、電話、デスク等が備わっていることを要します。また、事務所内部だけでなく、外部に看板や郵便受け表札が備わっていることを要します。

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