就労ビザから結婚ビザへの切り替え
就労ビザから配偶者ビザへの切り替え(変更)は必要?
日本で既に就労ビザを有している方が日本人と結婚した際の結婚ビザへの切り替えは必須ではありません。しかし、多くの場合結婚ビザに切り替えておいたほうがメリットが有あります。
就労ビザから結婚ビザに切り替えるメリットとは
就労ビザから結婚ビザに切り替えるメリットは就労に制限が無くなることです。就労ビザで働く外国人が仕事を辞めてから正当な理由なく3カ月経過すると在留資格の取消し対象となります。また転職する場合にも注意が必要で、在留資格で認められた範囲の職務内容での転職のみ可能であったり、そもそも転職ができない就労ビザ(技能実習)もあります。結婚ビザに切り替えることでこのような制限がなくなり、転職や辞職も在留資格には影響しません。
就労ビザとは日本で働くための在留資格の総称で19種類の在留資格があります。
- 技術・人文知識・国際業務
- 高度専門職
- 経営管理
- 法律・会計業務
- 医療
- 研究
- 教育
- 企業内転勤
- 介護
- 興行
- 技能
- 特定技能
- 技能実習
- 外交
- 公用
- 教授
- 芸術
- 宗教
- 報道
技能実習から結婚ビザへの切り替えは原則できない
就労ビザの中でも技能実習は結婚ビザへの切り替えを原則することができません。その理由は以下のとおりです。
我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。
技能実習中に結婚ビザに変更して日本に在留しつづけることは、技能自習制度の目的を果たせないことになります。結婚ビザを取得するためには一旦帰国し、在留資格認定証明書交付申請を行い、再度日本に招へいすることが基本的な流れとなります。ただし、絶対に結婚ビザへの変更ができないといったことはありません。技能実習生が所属する企業や管理団体からの承諾を得ることで結婚ビザへの切り替えが可能となります。
就労ビザから結婚ビザへの切り替えは待ったほうがよい場合
就労ビザから結婚ビザへの切り替えのメリットについてご説明しましたが、結婚ビザに切り替えは少し先に延ばしたほうが良い場合もあります。
- 今のまま仕事を継続かつ在留期間が多く残っている場合。
- 3年、もしくは5年の在留期間が付与されている方。
- 在留資格高度専門職の方。
今のまま仕事を継続かつ在留期間が多く残っている場合
在留資格の変更をすると、在留期間が新たに付与されます。ですので退職や転職の予定が無く、在留期間の満了日までの日数が多く残っている方は急いで結婚ビザへの切り替えをなるべく在留期間満了日近くまで延ばしたほうがよいかもしれません。
3年、もしくは5年の在留期間が付与されている方
結婚ビザへの切り替えを行うと、就労ビザで既に在留期間が3年や5年が付与されている方であっても5年→3年や、1年の在留期間になることがあります。
在留資格在留資格高度専門職の方
在留資格高度専門職は他の就労ビザに比べて優遇措置が設けられています。
- 複合的な在留活動の許容
- 在留期間「5年」の付与
- 在留歴に係る永住許可要件の緩和
- 配偶者の就労
- 一定の条件の下での親の帯同の許容
- 一定の条件の下での家事使用人の帯同の許容
- 入国・在留手続の優先処理
参考:出入国在留管理庁
優遇措置と結婚ビザのメリットとを照らし合わせながら結婚ビザへの切り替えを検討することを推奨します。
就労ビザ→結婚ビザ手続きの概要
就労ビザから結婚ビザに切り替えるには出入国在留管理局への在留資格変更許可申請を行います。
必要書類
- 申請書
- 写真(申請書貼付用)
- 日本人配偶者の戸籍謄本
- 外国人配偶者の国籍国から発行された結婚証明書
- 日本での滞在費用を証明する資料
- 身元保証書
- 住民票
- 質問書
- 夫婦間の交流が確認できる資料
- パスポート 提示
- 在留カード提示
手数料
手数料は申請書提出時には必要ありませんが、許可が出て在留カードを受取る際に収入印紙4,000円が必要となります。
標準処理期間
在留資格変更許可申請の標準処理期間は出入国在留管理庁のホームページでは2週間~1カ月と公表されています。
就労ビザから結婚ビザに変更する際の注意点
出入国在留管理局へ必要な届出について漏れはありませんか?所属機関や住居地に関する届出を期限内にしていない場合には結婚ビザの審査に影響を及ぼす可能性があります。もし提出漏れが有る場合には速やかに提出を要します。
参考:出入国在留管理庁
また、仕事を辞めてから正当な理由なく3カ月以上経過している場合には在留資格の取り消し対象となりますのでなるべく早く在留資格変更を行うことを要します。